リスクマネジメントとは

リスクマネジメントとは、「組織や企業においての想定することのできる損失や危機を最小限に抑えるためにマネジメントすること」を指す言葉です。
ここでは、リスクマネジメントとクライシスマネジメントの違い、リスクマネジメントの種類、類義語とリスクマネジメントについての基本情報を紹介します。
リスクマネジメントが必要な理由
日本では地震などの自然災害や最近であるとコロナウイルスなどの感染症の蔓延、サイバー攻撃など様々な危機を想定することができます。リスクが起こってから立ち止まるのではなくリスクが起こる前にリスクを想定し二次損害を最小限に抑えるためにリスクを管理(マネジメント)する必要があるといえるでしょう。
クライシスマネジメントとの違い
クライシスマネジメントとは、とも呼ばれ「リスク(危機)が起こった後の損害を最小限に抑える」意味を持つ言葉です。
リスクマネジメントはリスクが起こる前に想定することのできるリスクを最小限に抑えるためのマネジメントであるのに対し、クライシスマネジメントは、危機が発生した後に二次損害などの損害を最小限に抑えるためのマネジメントであるために意味に違いがあるといえるでしょう。
また、発生する前にリスクを想定する「リスクマネジメント」と、発生してから被害を最小限に抑えるために機能させる「クライシスマネジメント」を総称して「危機管理」と呼びます。
リスクマネジメントの手順

ここでは実際にリスクマネジメントを行う際のプロセスについて紹介します。以下のステップに沿ってここではリスクマネジメントのプロセスを紹介します。
- リスクの特定
- リスクの分析・評価
- リスクに対応
- 評価
1.リスクの特定
自分に影響する可能性のあるリスクの特定をはじめに行います。リスクを発見し、特定しないことには対策を取ることはできません。各部門のリスクを見える形でリスト化することで影響のあるリスクを特定することができます。
また、リスクを発見・特定する際に重要なことは意識的に気づくリスクと無意識で放置されているリスク、大げさに思えるようなリスクを考慮する必要があるといえるでしょう。
2020年に世界的に蔓延しているコロナウイルスによる影響を誰が予想できていたでしょうか。感染症などの病気の蔓延や自然災害などによる損害もリスク(危機)であるといえるでしょう。
2.リスクの分析・評価
リスクを特定することができたら次にリスクの分析と評価をする必要があります。分析とは、「リスクの発生確率」、「リスクによる影響の大きさ」を把握する必要があるといえるでしょう。双方を知ることでリスクの大きさを把握することが可能になります。
3.リスクに対応
優先度の高いリスクから実際にリスクに対してどのような対策をすればよいか対策法を考える必要があります。また、リスクに対する対策法は一つではないことをここでは紹介します。
リスクに対する対策法は大きく分けて、「低減」、「移転」、「許容」、「回避」の4つに分類することができます。想定することのできるリスクが以上の4つのどの対策法を選択すればよいかも重要となるでしょう。
4.評価
リスクの特定からリスクに対する対策法を作り上げることができたら、全体の評価をすることをしましょう。また、定期的にリスクに対する対策法やリスクマネジメントを見直す必要があるといえるでしょう。定期的に見直すことで「対策法が風化する」、「優先度の高いリスクに気づかない」などの状況を未然に防ぐことができるといえるでしょう。
リスクマネジメントの類義語

ここでは、リスクマネジメントの類義語「リスクヘッジ」、「リスクアセスメント」について紹介します。
リスクヘッジ
「リスクヘッジ」とは、「想定することのできるリスクに対し策定をあらかじめ備えておくこと」を指す言葉でありリスクマネジメントとは、とても似ている言葉といえるでしょう。
もともと金融業界で使用されていた言葉であり具体的な施策としては、「一つのもの集中して取引を行うのではなく複数に分散して取引を行う」ことで危険に対し備えることを意味します。
リスクアセスメント
リスクアセスメントとは、ビジネスのシーンよりかは工場や職場に危険が潜んでいる場合に使用する言葉です。工場の場合であると、ベルトコンベアの繋ぎ目に手を挟むことで大きなけがに繋がるなどの危険を予測することができます。
このように職場に潜在的な危険が潜んでいる場合にはリスクアセスメント(危険予測)をすることで安心・安全に働くためにリスクを言語化し伝達する必要があるといえるでしょう。
あらゆる組織でリスクマネジメントは必要

組織だけではなく個人の場合であっても何か自分のビジネスや仕事を行う際にはリスクマネジメントは必要であるといえるでしょう。リスクマネジメントを怠ることにより想像以上の損害や失うものが多くなることもあります。損害を最小限に抑えるためにもリスクマネジメントを行う必要があるといえるでしょう。